苦悩

原作シレーヌ編の、「見ていなかっただろうな、俺を……」みたいな感じ

 はじめは漠然としたイメージで描き始めたんですが、ふと「デビルマンの手から滴る血が、明君の手に掛かっている」というイメージが湧きました。それで、血糊を描き加えたんですが、おかげで明君が左手の拳を握っている、のが分かり辛くなってしまった……。ていうか、あんまりその「掛かっている」が上手くいってねー。
 明君は、あくまでも悪魔人間デビルマンであり、デーモンではないということを、自分で自分に言い聞かせていたのかもしれない。人間ではない存在になりながら、人間であることを捨てなかった。
 そう思って一巻から読み直すと、了が「明が…心まで本物のデーモンになる時が、早くくるのではないか…」ってくだり、……非常に皮肉だ。